日本映画批評家大賞を運営するメンバーにとって、淀川長治さんという存在は、師というべきか、お父さんというべきか、とにかく映画批評家であることの基本を、教えられたといっていい人であり、映画界の大先達である。この人が、もしいなかったら日本の映画批評家のイメージというものは、大きく変わっていたかもしれない。特にテレビのブラウン管の中に、ニコニコと登場して、日本人に映画の面白さというものを教えてくれた功績は、計り知れぬほどに大きい。日本映画批評家大賞がやるべきことは、淀川さんがおやりになったように、映画のイメージを高め、映画を愛する人たちを生み出し、映画を作る人たちを励ましたい、ということにつきよう。淀川さんは永遠に、私たちの中に生きているのである。